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PROJECT STORY プロジェクトストーリー
MEMBER
  • Ko.K
    豊田営業所/所長
    商学部卒/2006年入社

    豊田営業所の所長として営業活動を行うとともに、所員のマネジメントに携わる。今回のプロジェクトでは採用モジュール数の増加を図るため、顧客であるTier1企業と協力SIerとの人脈構築、困難な交渉事の推進に携わった。。

  • Ki.K
    豊田営業所
    経済学部卒/2018年入社

    入社以来、豊田営業所に所属。今回のプロジェクトではモジュール推進とは別のチャネルからTier1企業との関係強化を目指すため、様々な拠点への製品提案および新規・既存設備の改造提案活動に注力した。

  • T.K
    システムビジネスセンター
    総合経営学部卒/2014年入社

    名古屋営業所を経て、2019年に豊田営業所に異動。今回のプロジェクトでは営業実務の主担当を担い、Tier1企業とのやり取り、案件資料の確認や作成、協力企業への依頼・交渉などに携わった。現在はシステムビジネスセンター(本機材の組織の中で装置案件に特化した技術営業部隊)に異動し、技術営業として活躍している。

  • K.H
    システムビジネスセンター
    マネージャー/2018年入社

    日本機材の取引先である機械メーカーから転職。培った知識やスキルを買われ、SE本部(技術部門)の一員になる。入社後すぐに機械のプロとして今回のプロジェクトに合流し、若手営業の技術的サポートを一手に担ってきた。


STORY.01

Tier1企業との取引拡大の突破口!
モジュール案件の獲得がミッション


豊田営業所が開所した1997年から日本機材が目標としていたのが、愛知県に本社を置くTier1企業の直接口座の獲得だ。中部地区の各営業所の所長をはじめ、エリア内で要職に携わってきた歴代の人材の努力が実り、2018年についにそれが実現した。Tier1企業の協力会社の中では日本機材は後発だが、100年に一度といわれる自動車業界の大変革CASE(Connected・Autonomous・Shared・Electric)の影響もあり、Tier1企業がモジュール化(装置全体の図面を機能単位に分割し、全体を機能的なまとまりに再定義すること)を推進したことが追い風となり、一気に取り引きを拡大。頑健かつ効率的なモノづくりを目指す顧客の「モジュールパートナー」にも選任された。

Tier1企業から寄せられる新規モジュールの引き合いに対し、自社内での連携を円滑にするとともに、適切なSIer(エスアイヤー:システム開発の、すべての工程を請け負う受託開発企業)の選定から、要求に応じた提案をよりスムーズに行うために召集されたのがこのプロジェクトのメンバーたちだ。




STORY.02

挫折、そして成功。
人脈構築を重ね、採用されたモジュール案件


豊田営業所ではより多くのモジュール案件の採用を目指すため、直接口座の獲得を機にメンバーたちはそれぞれの仕事に取り組んだ。所長であるKo.KがTier1企業上層部との人脈構築を図る一方、現場サイドでの人脈構築を進めていたのがT.KとKi.Kだ。

T.Kが豊田営業所に赴任した直後にスタートしたのが、Tier1企業のある製品の新規製作だ。「この案件は顧客の今後の主要事業につながる可能性が非常に高く、何とか獲得したいと所長や地区統括と夜な夜なコスト算出に取り組みましたが、結局、採用には至りませんでした」と肩を落とすT.K。しかし、彼はこの経験をきっかけに、これまでの営業とは異なるモノづくりの醍醐味に気づき、新たなやりがいを見いだすことになるのである。

時を同じくしてKi.Kも営業活動に注力。所長が築いた人脈も活用しながら、ある拠点で2つの案件の採用を決めるという快挙を成し遂げた。「大型既設設備改造案件と新規パレットチェンジャー製作が採用に至りました。特に後者はTier1企業向け付帯設備案件では初めての採用。嬉しくて、すぐに所長に報告しました」。所長もこのことを鮮明に覚えていると語り、「大きな案件が初めて採用になったのが、この時。ここからモジュール採用が加速したと言っても過言ではないと思っています」。




STORY.03

技術、知識のなさを痛感。
モノづくりを知る特訓が始まった


しかし、Ki.Kの前に立ちはだかったのが、これまで経験したことのないモノづくりの壁だ。Tier1企業には「知っていてあたり前」「できてあたり前」とされる技術力のベースがあり、これまでモノづくりに携わってこなかったKi.Kの大きな障害となった。そんな若手営業の知識不足を補うため、プロジェクトにアサインされたのがK.Hだ。長く機械メーカーに勤務していたK.Hはモノづくりに精通しており、図面の見方から現場での立ち振る舞い、対応方法などを熟知。Tier1企業の「あたり前」もすぐに理解し、何をすべきかをKi.Kら若手に教え込んでいった。

「顧客の現場で実際の作業を行うのはSIerですが、彼らに丸投げしているようでは品質要求の厳しいTier1企業に認めてはもらえない。図面が読めなければSIerの仕事の精度も分かりませんから、まずは図面を見て理解することや専門用語の説明から逐一教えていきました」とK.H。時には現場で声を荒らげることもあったというが、すべては若手営業の成長のためであり、モジュール採用のため。しかし、すぐにはその変化になじめない若手営業も存在していた。それが後にシステムビジネスセンターに異動し、技術営業として活躍するT.Kだ。「K.Hさんの教えが正しいと分かっていても、すぐには納得できない自分がいました」とT.Kは当時の心境を吐露している。




STORY.04

モノ売りからモノづくり営業へ。
葛藤が成長の後押しになった


名古屋営業所で経験を積んだT.Kだが、その中心となっていたのは機器の提案を行う、いわゆるモノを売っていく営業。しかし、豊田営業所で求められたのはモノづくりに携わる営業だ。「すでに完成している商材をいかにコストを抑えて、迅速に提供するかで勝負してきたのに、いきなり一からモノをつくって、それを売れと言われてもできない。最初はそう反発する気持ちが強く、K.Hさんの指導も素直に聞くことができませんでした」と語るT.K。

そんな気持ちが変わるきっかけとなったのが、新規の製品立ち上げのため、K.Hと2人で何度も訪れた大阪だ。モノづくりの現場に立ち会い、K.Hの仕事ぶりを間近で見るうちに心境が変化。「技術や知識を活かしてお客様に提案し、SIerに指示を出す。そんなK.Hさんの背中を見て、いつしか自分もあんな風に仕事がしたいと思うようになったんです」。

こうしてKi.K とT.Kの2人の若手営業は、K.Hの指導のもとで着実に成長。初回の案件こそ採用に至らなかったT.Kもボリュームの大きなモジュール案件の採用を決め、モノづくり営業としての階段を上り始めていった。




STORY.05

モジュール案件のその先にある
装置案件の獲得こそが真のビジョン


全国に様々な業界のネットワークを持ち、数多くのSIerとの関係を築いてきた日本機材。モジュール採用活動に取り組んだ当初からTier1企業の仕様要求に応えるSIerを紹介するなど高い評価を獲得し、数々のモジュール標準採用を実現してきた。こうした実績を踏まえ、所長に今後のビジョンを尋ねたところ、こんな答えが返ってきた。

「モジュール案件実績を積み重ね、大型装置案件受注を実現したいと思っています。私たちにとってモジュール案件の採用はゴールではなく、モジュール製作事例からTier1企業のグループ会社への展開を図り、装置案件の新規獲得の足掛かりをつくるのがこのプロジェクトの本当のビジョン。これからも人脈構築と合わせて人材の技術習得を進め、ビジョンを達成したいと思います」。

今、このプロジェクトに参画した若手メンバーはそれぞれが自分の道を歩み始めている。Ki.Kは所長のもとで装置案件の営業活動に力を注ぎ、「ゆくゆくはTier1企業の各拠点で名を知らしめる存在になりたい」と語る。T.Kは今では師匠と慕うK.Hと同じシステムビジネスセンターに籍を置き、「営業ではなく、技術営業として社内外で頼られる存在に成長したい」と目標を見据えている。日本機材、そして豊田営業所が目指すのは、まだ誰も開発したことがない新しいマーケットだ。



KEYWORDS

・Tier1(ティアワン):完成車メーカーに直接部品を供給する一次請けメーカー
・SIer(エスアイヤー):システム開発の、すべての工程を請け負う受託開発企業
・モジュール化:装置全体の図面を機能単位に分割し、全体を機能的なまとまりに再定義すること
・システムビジネスセンター:日本機材の組織の中で装置案件に特化した技術営業部隊